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【イヤホン】ZiiGaat x Fresh Review Arete – 同社らしい堅実さ、低音域の響きが過不足なく気持ちいい製品

こんにちは。
今回は、ZiiGaatより発売中のイヤホン「ZiiGaat x Fresh Review Arete」のレビュー記事です。

※本記事の執筆にあたり、Linsoul_JP様(@Linsoul_JP)より製品をご提供いただいております。
 このような機会をいただけましたこと、改めて感謝申し上げます。

製品概要

「ZiiGaat x Fresh Review Arete」は、YouTubeで活動中の「Fresh Reviews」とのコラボレーションにより開発されたイヤホンです。
開発コンセプトとしては、主にFPSを中心としたゲーミング用途で優れたパフォーマンスを発揮することを意識したものであり、純粋に音楽を追求している他社とは一風変わった方向性で開発されていることが特徴です。


ドライバー構成は以下のとおり、片側5基のハイブリッド型イヤホンとして設計されています。

・10mm径 バイオセルロース振動板 ダイナミックドライバー(低音域 x1)
・Knowless製 29689 バランスド・アーマチュア(中音域~中高音域 x2)
・Knowless製 31736 バランスド・アーマチュア(高音域 x2)

ダイナミックドライバーには強力な磁気回路を搭載することで低音域のレスポンスを高めつつ、バイオセルロースを振動板の素材に採用したことで、より質感の高い低音域を実現しているとのことです。

バランスド・アーマチュアは、著名なメーカー(Knowless)製のドライバーを採用しつつも、自然かつ原音に忠実な中音域~中高音域と高音域のレスポンス強化を目的に、各音域でそれぞれ異なる型番を搭載しています。

あえて高音域に別型番のバランスド・アーマチュアを搭載したのは、高音域に含まれるサウンドに不自然さを与えることなく、音の雰囲気を音源そのままに伝えたいといった意図が理由になっているとのこと。


また、モニターライクなサウンドを意識しつつも、パンチの効いた低音域で心地の良いリスニングタイムを楽しんでほしいといったメーカーのこだわりから、中音域の周波数帯(300Hz~1kHz)はフラットなサウンドを意識したチューニングを施したことで、低音域がより際立つように開発されているようです。

低音域は前述の「300Hz」未満の周波数帯を省き、サブウーファーを意識した力強く深みのある、音を濁らせないといった観点でのチューニングが施されています。
結果として、全体的には自然なら鳴らし方をしつつ低音域の絶妙な支えを設けるといった製品にし上がっているようですね。

パッケージと付属品等について

パッケージはコラボ製品という面もあってか、ややお洒落なデザインです。
今回は3.5mmプラグ版をご提供いただいています。


付属品は以下のとおりです。
イヤーピースはシリコンタイプのものが各サイズ(S / M / L)、フォームタイプが1種類付属しています。
製品によっては、イヤーピースが大量に同封されていたり色々とアクセサリ類が付属することもままありますが、同社のイヤホンはシンプルなほうかと思います。

付属ケーブルの線材については公開されている情報が見当たりませんでしたが、細身でクセもなく扱いやすい部類かと思います。
被膜が黒ながらツヤツヤなので、この辺りが気になる方はリケーブルをお試しいただいてもいいのかなと思います。


イヤホン本体を見ていきましょう。
さまざまな色のラメが散りばめられたフェイスプレートは、さながら古代遺跡の遺物のようにも見えます。
こういった落ち着いたデザインは外出時にも使いやすいので、一定の需要があるのではないかなと思います。

シェル部分は透明度が低いものの、目を凝らして観察すると内部のドライバーや配線が視認できました。
黒と表現するよりは、とても深みのある紫に近いカラーリングとなっています。

試聴前 – セットアップ

付属ケーブルを使った、3.5mmでのアンバランス接続で試聴しています。
イヤーピースも付属品のシリコンタイプをそのまま使用しており、完全デフォルト構成のレビューとなります。

試聴してみての感想

上流には「FIIO K9 Pro ESS」を使用しています。

全体的には同社の「Cinno」と似たような印象で、あまりパンチはない控えめなサウンドのように感じたことに加え、いかにも無難…といったイメージの寒色・暖色どちらへも揺らがないフラット気味な音色なのかなと思います。

ただ、前述の製品とは「4基のバランスド・アーマチュアを搭載」という点は同様でありつつも、そこに1基のダイナミックドライバーが合わさったことで、低音域の支えを得たリスニング系のサウンドとしての進化が感じられます。

中音域との分離感は、時おり音に混ざりを感じるようなことはあれど…高音域との分離は良いように思われますので、ベースラインの主張が強くないアカペラのような雰囲気の音源を試しに聴いてみることで、真価を発揮するのではと感じます。
ボーカルの距離感はやや近いように感じますので、それを活かすなら先ほどの印象を踏まえて「ベースラインの主張が強すぎない音源」を選ぶということは理にかなっていると考えられますね。

あくまでも音源次第で印象が変わるといった面は、どのようなイヤホンにもあり得る話ではあるものの、本製品はその傾向を感じられやすいように思われました。

音場はやや狭め、中心に寄っているように聴こえますが、特定の音域(中音域~高音域)では広がりがあるようにも感じられ、やや不思議な印象を感じられます。
しかしながら、全体的には音場が広いという表現にまでは至りませんので、その辺りを重視するのであれば他の製品が選択肢になり得るかと思います。

重複した表現となりますが、あくまでも同社製品は「万人受けを目指した無難さ」を重視しているように思いますので、どこか特定の層に刺さるものを…というよりは、選り好みをしない方向けのイヤホンとして開発されているように感じました。

お読みいただきありがとうございました。

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