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【イヤホンレビュー】TRI i3 MK3 – クールなサウンド、されどバランス感も備えた解像度重視の一品

こんにちは。
今回は、TRIよりリリースされたイヤホン「TRI i3 MK3」のレビュー記事です。
同社の「TRI i3 / TRI i3 Pro」の後継機種にあたるイヤホンの実力をご紹介したいと思います。

※本記事の執筆にあたり、Easy earphones様(@hulang9078)より製品をご提供いただいております。
 このような機会をいただけましたこと、改めてお礼申し上げます。

製品概要

「TRI i3 MK3」は、前モデル(TRI i3 / TRI i3 Pro)の変遷を辿りつつ、より良い音を届けるために新規設計・開発されたイヤホンになります。

本製品は「TRI i3 / TRI i3 Pro」の後継にあたるイヤホンながら、その外面・内面はともに刷新されています。
ドライバー構成は以下のとおり、10mm径のダイナミックドライバー(DD)・平面駆動型ドライバー(Planar Driver、略してPD)を1基ずつと、Sonion製のバランスド・アーマチュア(BA)を1基搭載した「2DD+1BA」のハイブリッド型イヤホンとして開発されています。

・10mm径 ベリリウムメッキ振動板ダイナミックドライバー x1
・10mm径 平面駆動型ドライバー x1
・Sonion製 2356 バランスド・アーマチュア x1

ダイナミックドライバーの振動板にはベリリウムメッキを採用しつつ、同社が独自設計した構造によって透明感が高い開放的な音場表現に特化しており、低音域を中心とする音源ではレスポンスの良さを実現しているとのことです。

同一径で搭載された平面駆動型ドライバーは、従来製品では中音域~高音域の範囲で動作していたものを高音域に特化させた設計へ変更し、さながら静電型ドライバー(EST)と同様の音を奏でられるようにパフォーマンスが最適化されています。


また、前述の平面駆動型ドライバーに代わり中音域を担うのは、Sonion製の「2356 BA」となります。
本製品の開発にあたり、同社は他に組み合わせるドライバーとの相性を吟味した結果、こちらのBAユニットが採用されるに至ったとのことです。
同ユニットは解像度の表現に長けていることもあって、多くのフラッグシップ級イヤホンで採用されており、本製品のドライバー間の音の繋がりや密度を高めるといった点でメリットをもたらしています。

各音域の分離感を高める目的で、Knowless製のアコースティックダンパーを3つ使用しつつ同社独自のチャンバー設計・ダクト設計によって、出音の粗さやガサつきを極限にまで排除したクリーンな音質にこだわった一品に仕上がっています。


なお、大幅な進化を遂げたとされる本製品ですが、前世代までのチューニングを踏襲した形となっており、そこに新たなドライバー構成や周波数分割方式を導入することで、主に低音域~中音域の解像度と音場表現を高めるといった点に着目して開発されています。
そのため、これまでの製品を愛用していた方にも受け入れられやすい製品になっているかと思います。

イヤホン筐体はアルミニウム合金で、紫色のアルマイト処理が施されています。
マットな仕上げでありながらも、光の当たり方によって印象が変わるといった面は音に限らない演出にもこだわっている証拠といえるでしょう。

パッケージと付属品等について

パッケージは少し大きめですが、例えば「TRI iONE」ほど巨大という訳でもありません。
裏面には日本語を含めたスペック表記があり、ドライバー構成などを確認することができます。

付属品は以下のとおりです。
同梱されたイヤーピースの豊富さも特筆すべきであり、「TRIブランドの角笛(Clarion) / バランス型 / 低音特化型 / フォーム」と、まさに4種類も取り揃えられています。

※フォームのイヤーピースのみ、2ペア同梱となります。

付属ケーブルは、5N品質の単結晶銅(銀メッキ)を612本束ねた2芯ケーブルが採用されており、高音域の優れた質感を際立たせるべく、付属品だからといって手を抜いているようなことはありません。
あえてリケーブルの必要性を感じさせないほどの質感ですので、ぜひそのままの状態で一聴してみることをお勧めしたいと思います。

イヤホン本体を見ていきましょう。
紫色の怪しげな雰囲気をも醸し出す本体は、前世代までの外観とは一風変わった雰囲気で目新しいと思います。
イヤホン側コネクタはフラットタイプを採用、ノズル径もあまり太くないためイヤーピースの脱着は比較的容易かと思います。

イヤホン本体をカメラでぐるりと撮影した動画も併せてご紹介しますので、参考までにご覧ください。

試聴前 – セットアップ

付属ケーブルを使いつつ、イヤーピースは「TRI 角笛(Clarion)」を使用しています。
同イヤーピースは安価で購入できるほか、サイズさえあえばフィット感は悪いものではなく入門用として選択肢に入れてもいいイヤーピースといえます。
サイズを誤ると、ややスカスカ感が出てしまうのでその点はご注意いただければと思います。

試聴してみての感想

上流には「FIIO K9 Pro ESS」を使用しています。

今回はベリリウムメッキを採用したダイナミックドライバーを搭載していることもあり、
箱出しとは印象が変わる可能性も考えられましたので、100時間ほどエージングを実施してレビューを執筆しています。
といいつつ、直近レビューしたイヤホンではおよそ72時間~100時間ほどはエージング機材(Eveningstar BURN-IN A1)に接続したままで放置して、レビューを進めていることが多いです。


一聴してみると、音の傾向は寒色寄りのように感じます。
中音域~高音域の解像度の高い表現が中心となっており、シャリ感を感じるかどうかギリギリのラインを攻めているように感じます。
ボーカルの距離感はやや近めながら、少し低音域あたりに埋もれそうな雰囲気のように思われました。

低音域は深みを感じさせるようなレベルには至っていないながらも、他の音域にしっかりと追随するレスポンスの良さを備えており、同等に解像度が高いといった点では全体としてのバランスが取れたチューニングに仕上がっているように感じました。

ただ直近、低音域の表現が際立ったイヤホンのレビューをしていた先入観もあっての印象ではありますが、低音域の主張を重要視される方からみれば、やや物足りないという気持ちを感じてしまうかもしれませんね。

そのため、本製品は中音域以降の音域を中心とした音源と組み合わせることで解像度の高さを活かした、自然なサウンドを楽しむことができるのではないかと思います。
私が試聴に使っている音源は、ほとんどの場合はVTuber(ホロライブ)系の曲が半数以上を占めています。
趣向を変えて、YOASOBIの「勇者」や「アイドル」を聴いてみると、より本製品のポテンシャルを活かせているように感じられましたので、多少の音源選びは重要かなと思われました。

また、高音域へ特化させた平面駆動型ドライバーは、確かに静電型ドライバーに近しいような雰囲気を感じさせつつも、やはり若干ながら繊細さに不足を感じてしまうかなといったようにも感じます。
前述のとおり、平面駆動にありがちな「高音域以降のシャリ感」はうまく制御できているように感じますので、そういった面で聴き疲れしてしまう可能性は低いように思われます。

前提として、静電型ドライバーは一般的には高級機種に採用されるものですので、
既存の平面駆動型ドライバーを最大限に活かし、それと同等の表現を目指したという同社の意欲的な取り組みそのものは評価に値すると思います。

なお、本製品の発売予定日は「6月16日(日)」となっており、初週はセール価格(25,999円)で販売されます。
その後の価格は、29,999円となりますので気になっている方はスタートダッシュでの購入をご検討ください。

お読みいただきありがとうございました。

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