こんにちは。
今回はTRN社からリリースされたチューニングスイッチ搭載のダイナミックドライバー採用のイヤホン「MT1 MAX」のレビュー記事になります。
本ブログでは珍しく、1,000円台の安価なイヤホンレビューとなりますが、果たしてその性能はいかに。
製品概要
今回の「MT1 MAX」は、第4世代の10mm二重磁気ダイナミックドライバーが1基採用されたセミオープン型のイヤホンです。
筐体はマグネシウム・アルミ合金とレジンで構成されており、リケーブル機構もきちんと備えていてコストパフォーマンスは高い一品だと思います。
また、3つのチューニングスイッチ(DIPスイッチ)が用意されており、下記の画像のとおり多種多様なチューニングで音楽を楽しむことができる、遊び心も備えた面白いイヤホンとなっています。
ザッとご紹介すると、チューニングスイッチによって4種類のサウンドスタイルを楽しめるようになっています。
(チューニング名称は意訳です)
- 低域強化: 低域重視のチューニングになり、中高域・高域は抑制されたサウンドになります。
- 高域強化: 高域重視のチューニングになり、低域が抑制されたサウンドになります。
- バランス: ほとんどの音源に適したチューニングで、バランス重視のサウンドになります。
- エクストラベース: 低域をより一層強調しつつ、全体的には耳に優しい聴き心地のよいサウンドになります。
通常、チューニングスイッチは1つか2つ備えたイヤホンならよく見ますが、1,000円台の価格ながら3つも備えているとは驚きですね。
パッケージと付属品について
パッケージは安価な製品らしく、KZやCCAと似たような感じの小箱で非常にシンプルです。
表面にはイメージ画像、裏面には中国語・英語でのスペック表が記載されています。
パッケージを開封すると、金色の円形部分が目立つイヤホン本体が姿を現します。
その下に付属品類が収められており、説明書・イヤーピース(おそらくS/Lの両サイズ)・スイッチ切り替え用のピン・3.5mm端子を備えたイヤホンケーブルがそれぞれ付属しています。
イヤホン本体は前述したように金色の円形部分と、大きめに作られたベントが特徴となっています。
イヤーピースはTRN謹製の「T Ear-Tips」が標準装備されており、私自身も他にイヤホンで使用しているイヤーピースかつ下手に弄らなくてもいい、親近感や箱出しで問題ない楽さの両方を同時に感じました。
(どうせなら、全サイズ同じイヤーピースにしてくれると嬉しいのですがコスト面の問題かなと思われます)
今回は標準搭載の「T Ear-Tips」と付属ケーブルを用いて、このまま試聴を進めていきたいと思います。
音質レビュー
音質のレビューにあたり、以下の環境・曲を使用しています。
・Shanling M1s → 有線接続(アンバランス)
・アニソン(星街すいせい、TRUEなど)を参考曲としています。
せっかく4種類のサウンドスタイルが楽しめますので、チューニングスイッチ別に印象をレビューしていきたいと思います。
バランス
「ほとんどの音源に適したチューニング」の名の通り、どの音域も主張が強くなくフラットな表現に仕上がっています。
若干ながら高域のシャリ感がありますが、気に障るほどではないと思います。
正直、本イヤホンのポテンシャルを最大限引き出すならチューニングスイッチで遊ぶよりもバランスのまま使った方がいい感じはします。
チューニング機能を搭載した本製品に対する印象としては本末転倒になってしまいますが、それだけ標準性能が良くコストパフォーマンスが素晴らしい製品だと考えればアリだと思います。
低域強化
中高域がかなり控えめになり、低域のズシズシとした感じだけ表に出てくるので濁った音のように感じます。
私がレビュー時に聴く音源の多くは女性ボーカルのため、個人的には好きなチューニングではありませんでした。
Crush 40などのロック的な曲も試しましたが、高域の伸びがないのでノリノリで聴くには今ひとつな印象です。
高域強化
高域の抜けがよくなり、私個人としては低域強化のチューニングよりずっと好きに感じます。
ただ、バランスで若干感じていたシャリ感がさらに強調されますので、安価なイヤホンにありがちな鳴り方になってきます。
しかしながら、イコライザーで高域を強調して聴いておられる方には意外と合うチューニングなのではと思います。
エクストラベース
バランスの印象をそのままに、低域もしっかりと強調していく欲張り系チューニングになっています。
意外と低域とそれ以外の分離感は悪くなく、低域強化のチューニングで感じていた濁りも感じませんでした。
少し情報量多めなので聴き疲れする可能性はあるかもしれませんが、女性ボーカル曲でのサブベースも量感たっぷりで駆け抜けていくので個人的な印象として良かったです。
基本的にはバランスで使いつつ、低域の量感が足りないな…と感じたらエクストラベースで臨場感を高めるといった使い分けが、本イヤホンのチューニング機能の上手な活かし方ではないのかな、と思います。
何にせよコストパフォーマンスが高いことには変わりなく、レビューで上げたマイナス面を差し置いても「1,000円台でここまでできるの?」と今回は驚きの方が強かったです。
なお、現在は11.41ドルでAliExpressにて販売されています。
日本国内のAmazonやHiFiGoでも販売されておりますので、お好きなショップでの購入をご検討ください。
お読みいただきありがとうございました。
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