こんにちは。
今回は、KZより発売中のイヤホン「KZ ZS12 Pro X」のレビュー記事です。
同社の「ZSシリーズ」から、BA数を1基増やした新たなバリエーションモデルとして登場した本製品をご紹介していきたいと思います。
※本記事の執筆にあたり、Easy earphones様(@hulang9078)より製品をご提供いただいております。
このような機会をいただけましたことに、改めてお礼申し上げます。
製品概要
「KZ ZS12 Pro X」は、1基のダイナミックドライバーと5基のバランスド・アーマチュアを搭載したハイブリッド型イヤホンとなります。
ドライバー構成の詳細は、以下のとおり。
・10mm径 スーパーリニアダイナミックドライバー(低音域~中音域) x1
・KZ 31636 バランスド・アーマチュア(高音域)x2 ※デュアルアレイ構成
・KZ 30019 カスタム バランスドアーマチュア(中音域) x1
チューニングスイッチの搭載有無で2つのバージョンが併売されており、ユーザーそれぞれが外観や音質へのこだわりによって選ぶことが可能となっています。
ただ今回は、チューニングスイッチを搭載しないバージョンをご提供いただいています。
パッケージと付属品等について
パッケージはKZらしいシンプルなものですが、同社曰く「実用的で、環境に優しい」として積極的に採用しているようです。
個人的に多くのイヤホンをレビューする身としては、嵩張りづらいのでありがたい…とは感じています。
付属品は以下のとおり。
同社の他ラインナップとほぼ変わりないので説明は割愛していきますが、シンプルさが極まっています。
イヤホンは亜鉛合金製の、艶消し加工が施された素材で構成されています。
漆黒の筐体に金メッキのスクリューが良いアクセントになっており、また多数のスリットによる半開放型デザインで音の抜けは良さそうな雰囲気を感じます。
外観は個人的に好きなのですが、惜しむらくは…筐体色が本当に真っ黒なので撮影しづらい点でしょうか。
試聴前 – セットアップ
デフォルト構成に加え、イヤーピースのみ「Whizzer Easytips SS20」へ変更しています。
安価で装着感も良いといったメリットから、KZ系のイヤホンは本イヤーピースでのレビューが多いです。
試聴してみての感想
本記事では「FIIO K9 Pro ESS」で試聴しています。
全体的な傾向や各音域のバランス感
各音域のバランスとしては、高音域≧低音域≧中音域といった印象です。
絶妙な差を感じることがあれど、各音域のバランスはうまくまとまっており聴きやすいイヤホンと思います。
一聴する限りでは、デュアルアレイ構成の「KZ 31736 BA」によるスッキリとした抜けの良い中高音域~高音域にかけての表現が本製品の推す特長でもあり、実際に聴いた身としても試す価値ありと感じました。
半開放型ゆえの抜けの良さから、横方向への音場はそこそこ広めで圧迫感を感じるようなこともないです。
では、低音域~中音域はそのぶん微妙に感じてしまうのか…?と疑問符を抱きつつ試聴を進めてみた限りでは、低音域はKZ系らしい重厚感が感じられるほか、ノズル付近に搭載された「KZ 30019 BA」によりボーカルの距離は近く、他音域より印象が薄れがちな箇所をある程度改善してきているように感じられました。
チューニングスイッチ搭載有無の違いはあれど、過去にレビューした同社の「KZ ZS10 Pro 2」ではドライバー構成はほぼ同一で、今回と異なる箇所としては「KZ 30019 BA」の搭載有無が大きな違いであるかと思います。
チューニングスイッチ搭載版では、色々と試行錯誤して自分好みの音色を見つける楽しさと煩わしさが同時に襲い掛かるような印象ではありますが、本製品は主だってチューニングの必要がない程度にはバランスが取れた良いイヤホンだと感じました。
なお、今回のスタンダードバージョンでは、いわゆる「逆カマボコ型」とも取れるサウンド傾向をやや感じるところもあり、音源によっては中音域(=ボーカル)の印象が薄まるかな…?という面がない訳ではありません。
チューニングスイッチ搭載版では低音域を三段階まで高めることと別に、高音域を一段階低くすることも可能となっていますので、より突き詰めたい方はぜひ検討に含めていただくことをお勧めしたいと思います。
販売情報
「KZ ZS12 Pro X」は、提供元の「Easy earphones」様でAmazonならびにAliExpressで販売されています。
お読みいただきありがとうございました。
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